アレルギー外来|千駄木こどもクリニック|文京区千駄木の小児科・アレルギー科

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アレルギー外来

アレルギー外来|千駄木こどもクリニック|文京区千駄木の小児科・アレルギー科

小児のアレルギー

小児のアレルギー

小児期に発症するアレルギーは、赤ちゃんの乳児湿疹にはじまり、アトピー性皮膚炎、乳幼児喘息(気管支喘息)、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などが増加してきます。アレルギーを起こしやすい体質を持ったお子様に、これらのアレルギーが次々と連鎖して現れる現象をアレルギー・マーチと呼びます。 1)
これは経皮感作といって、バリア機能が弱まった皮膚から侵入した食物やダニや花粉といったアレルゲンに対してアレルギー反応が惹起されるためです。

乳幼児期にスキンケアをしっかりと行い、お肌の状態を良くしておくことが、アレルギー疾患の発症を防ぐのに重要と考えられています。 2)

1)馬場実.アレルギーマーチとその臨床.免疫アレルギー.1993;11 : 16-21、
2)Baba M.Onset and development of pediatlic allergy -possibility of prediction and prevention-.Allergy. 1989;38:1061-9.

主なアレルギー疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアレルギー疾患の既往歴や家族歴を認めます。
アトピー性皮膚炎は定義に基づいて診断します。日本皮膚科学会の診断基準ではかゆみがあり、特徴的な湿疹を年齢に応じた好発部位に左右対称性に認め、慢性あるいは反復性に認めるとしています。
乳児期は頭と顔からはじまり体、四肢に広がっていくことが多いです。幼小児期は首、四肢関節部が多いです。
原因としては、皮膚の乾燥やバリア機能の低下により、皮膚の表面に傷や隙間ができ、そこから様々な細菌や刺激物質、アレルゲンなどが入りやすくなって炎症が起こると考えられています。アレルゲンとしては鶏卵や小麦などの食べ物の蛋白質や、ダニや花粉などがあります。家庭の埃の中にはこれらが存在し、アトピー性皮膚炎の原因となることもあります。
治療は乾燥対策の保湿剤や炎症やかゆみを鎮める軟膏など外用療法が基本となります。

食物アレルギー

即時型

原因食物を摂取して2時間以内、多くは30分以内に何らかの症状が誘発されるタイプです。アナフィラキシーショックを生じることもあり注意が必要です。採血やスキンプリックテストで検査ができますが、検査で陽性=食物アレルギーとは必ずしもなりません。小児期は食事の栄養も大事であり、また食物アレルギーがあっても耐性獲得(症状なく食べれるようになる)のためには必要最小限の除去が重要といわれています。詳しくはご相談ください。下記は代表的な食物アレルギーの例です。

  • 鶏卵アレルギー
    対象の重症度や診断法の違いなどで耐性獲得(症状なく食べれるようになる)の時期は異なるが、4歳〜4歳半までに、約50%が耐性を獲得するという報告が多い。
  • 牛乳アレルギー
    多くの報告があるが3歳で50%が耐性を獲得しているのがほとんどである。
  • 小麦アレルギー
    報告によりばらつきはあるが、4歳までに30〜60%、8歳までに50〜70%が耐性獲得したとされている。
食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

乳児期早期にアトピー性皮膚炎として発症し、その原因が食物である場合です。多くが離乳食開始前から慢性的に湿疹を認めていることが多いです。因果関係が推測される食物の除去試験および負荷試験を行うことで診断が確定します。原因食物は、即時型と同様に鶏卵、牛乳、小麦が多いです。スキンケアや乳児期早期からの丁寧な外用療法の普及に伴い減少しています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー food-dependent exercise-induced anaphylaxisFDEIA

原因食物を摂取して24時間以内に運動を行った場合に誘発されることが特徴である.運動量の増える学童期から発症が増えていきます。

口腔アレルギー症候群 oral allergy syndromeOAS

口唇・口腔・咽頭粘膜を中心に症状が誘発される食物アレルギーです。果物,野菜,魚類など様々な食物で誘発されます。花粉食物アレルギー症候群 pollen-food allergy syndromePFAS)は,特定の花粉症の患者が,その花粉と似た蛋白構造を持つ食物を摂取した際に症状が誘発されます。症状はOAS と似通った症状のことが多いですが、強い症状を誘発することもあります。

新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症

原因食物摂取後14時間(遅くても 6 時間)以内に頻回嘔吐を認め,その後しばしば下痢を認め,時に血便を伴う疾患です。皮膚症状や呼吸器症状に乏しく、多くは自然に耐性を獲得します。近年卵黄での報告が増えています。

【参照】
海老澤元宏編(2023)『症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて 第3版』,南山堂.

気管支喘息

気管支喘息とは、空気の通り道である気管が慢性に炎症を生じ過敏になっている状態です。炎症が悪化すると、過敏性が亢進して咳がでたり、むくんで狭くなったりしてヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難を生じる発作状態となります。発作を繰り返すと気道のリモデリングといって気道の構造に変化が生じ発作が起こりやすくなったり、治療に抵抗するようになったりします。そのため発作を起こさないように、発作予防薬を日頃から使用すること、また生活習慣の改善と環境の整備(ダニや埃などのハウスダストや、風邪や、たばこの煙などの対策)が重要になります。

アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症など)

アレルギー性鼻炎・結膜炎は、喘息やアトピー性皮膚炎などに合併することの多い疾患です。主な原因は、ダニ、ハウスダスト、花粉(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ハンノキなど)、ペット類(ネコやイヌの抜け毛やフケ)などです。
一年を通しての症状は通年性アレルギー性鼻炎・結膜炎と言いダニが主要因です。
季節性の症状は花粉症とも呼ばれており、スギが代表的です。近年は発症が低年齢化し、2歳頃からでもアレルギー性鼻炎・結膜炎を認めることがあります。

舌下免疫療法

ダニやスギの蛋白抽出成分を含んだタブレットを舌下で保持し溶かしてから内服することで、口腔咽頭の免疫細胞に働きかけ耐性を獲得(アレルギー症状が出なくする)治療法です。毎日継続することで症状が改善していきます。鼻炎症状があり、スギやダニのアレルギー反応を認めれば(当院では指先採血で可能です)、5歳から治療開始できます。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹は皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、数時間から数日の経過で跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。症状が6週間未満の場合は「急性蕁麻疹」、それ以上経過した場合を「慢性蕁麻疹」と呼びます。
急性蕁麻疹の原因は不明なことも多いですが、小児は体調不良時に出やすい傾向があります。治療は、まず原因や悪化因子を探して、アレルゲンがわかる場合はそれらを取り除く、または避けるようにすることです。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。